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鏡の中は届かない

私達はお母さんのお腹の中からずっと一緒だった。
先に光を見た方がお姉ちゃんと呼ばれ、後に生まれた私は妹と呼ばれる。
ただ、それだけで私達にとっては気にすることでもなかった。

一緒に楽しいこと分け合って笑って

一緒に泣いて悲しいことも分け合った

だから、ソレンティアへの入学書が一緒に届いたのも嬉しくて
手を繋いで一緒に呪文を唱えて門をくぐった。

魔法の勉強をしながら新しい友達も出来たけど
2人で一緒だということは変わらなかったし
これからも変わるわけがないって思ってた。
ずっと一緒だよねと入学したその夜、寮の部屋で交わした指きりは
子供が交わすチープだけど純粋な約束だった。

だけど、変わってしまった。

自分達以外に興味を惹かれる別の人が現れてしまったから。









彼は分け合うことが出来なかった。
だって彼は姉を選んだのだから。

それから私達は一緒じゃなくなった。

姉と妹…。




月日が経って2度目の冬が巡ってきた頃、姉と彼は別れた。

嬉しいとは思えなかった。

でも、悲しいとも思えなかった。

2人のそんな話を聞いてから一週間、雪が思い出を隠すように降り積もり
ブーツを穿いて図書館へ向かう途中に久し振りに彼に会った。

最初は強張らせていた表情も妹だと気付けば気軽に話しかけてくれた。
何となくぎこちなかった会話も授業や新しい課題の話になれば打ち解けて
笑い声が図書館の裏手の森に響くんじゃないかと思えるぐらいの声だ。
こちらを何度か見つめて話してくれる彼を見てると淡い気持ちが胸を温かくする。

でも、それも一瞬のこと。



「こうしてると、   と話してるみたいだ…ありがとう」



”妹”でもなく”私”でもなく姉と話した気持ちになっていたんだと思った瞬間
自分でも信じられないくらい微笑んで見せていた。

彼はもう一度、ありがとうと言って校舎へ向う。

私は笑顔で手を振って彼を見送った。

小さくなっていく彼の背中を見つめながら、知らず内に胸の辺りを握り締める。
強く、強く、握り締める手の上に冷たい雫が零れ落ちた。












図書館の窓ガラスに映る自分を見て、生まれて初めて   になりたいと思った。
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Author:Yかり
お茶が好き、食べること大好き
ゲームも漫画も好き、オタクなり。
世界遺産旅行への計画ねりねり中。

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